【レター返信】血糖値が上がりづらくなる食事の方法は?

先日レターで血糖値についてのご質問をいただきました。
今日はその質問に声でお答していこうと思います。

血糖値については、悩まれている方も多い。
個人的には、そんな感覚があり、今回は食事を中心に出来るだけ分かりやすくお話していこうと思います。

この記事は、音声でもお楽しみいただけます。

血糖値が上がりづらくなる食事の方法は?


まずは頂いたレターから、読んでいきますね。

はじめまして。
いつも楽しく拝聴させて頂いてます。
50代後半の主婦です。
血糖値についての質問があります。

家系的にみんな血糖値が高く、毎年の健康診断でだんだんと空腹時血糖があがり、昨年夏の検診で、とうとう100を超えてしまいました。
Hba1cは5.6です。
さかのぼること27年前の妊娠健診でも尿糖が〇〇〇になり、妊娠糖尿病を疑われ検査をしましたが大丈夫でした。
出産前の一時的な反応だったと思いますが、糖には気を付けるように言われました。
2人目の時もおなじです。

体型は158㎝ 45キロとやせ形で、若い頃より3キロ体重は落ちていて、しっかりと食べないと痩せてしまうのが悩みです。
しかし白米を食べ過ぎると血糖値は高くなる。。。食べないと痩せていく
これは、どのような食生活にすればいいのでしょうか?

野菜から食べる事は、実践しています。
コロナ渦から運動不足が気になってます。
よろしくお願いします。

このようなお悩みのご相談です。
まずは、レターを頂きありがとうございます。

血糖値の急上昇を抑えるためには『野菜から食べる』これは一番大切なこと。
それをすでに実践されているのは、本当に素晴らしいと思います。
ではこれから、食べる順番以外に気を付けたいポイントについてお話していきます。

血糖値が高いとどうなってしまうのか?


さっそく食事の改善策を。。。といきたいところなのですが。
ご質問者さんは、すでに血糖値が高いリスクをご存じだと思うのですが。。。
この配信をお聴きの方の中にはリスクをご存じない方もいるかと思うので。
まず、血糖値についての基本的なお話しをしたあとに、後半で食事の改善方法をお話していきます。

高い血糖値を放置しておくと、様々な病気を発症するリスクが高くなります。
血糖値を上げる原因は、お米やパンといった炭水化物やお菓子などに含まれている糖質です。

まず、食事でとった糖質はブドウ糖に分解されて、血液を通して全身に送られます。
その際に、血液中にどれだけブドウ糖が混ざっているかの指標が血糖値です。

食事後は、血液中にあるブドウ糖の濃度が濃くなります。
この状態が『血糖値が高くなる(高血糖)』です。

通常は、血糖値が高くなると『インスリン』というホルモンが膵臓から分泌されて、血糖値を下げるように働きます。
しかし、病気が原因で血糖値が高いままになることがあります。
高血糖の状態は、全身に十分なエネルギーが行き渡っていないことを意味しています。

そして、血糖値が高いまま放置すると、血流が悪化。
その結果として糖尿病など様々な病気を引き起こします。

血糖値の数字的な目安(基準値)は?

空腹の状態で測った数値が血糖値の基準値で、これを「空腹時血糖」といいます。
空腹時は血糖値が食事の影響を受けず、最も低い数値を表します。
食事の影響を受けないため、空腹時血糖は血糖値の基準値とされているのです。

他にも「HbA1c」というものがあります。
HbA1cとは、血糖値の測定前から約1〜2か月の平均血糖値のことです。
自分の血糖値がどのように上下しているかを知ることで、運動の必要性や食事方法を変える指標となります。

血糖値の基準値は、つぎの数値をを目安にしましょう。

・空腹時血糖が100mg/dL未満
・食後から2時間後の血糖値が140mg/dL未満
・HbA1cが4.6~6.2%で5.5%以下が目標値

空腹時血糖が126mg/dL以上、食後血糖値が200mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上の場合は、糖尿病の疑いがあると診断されます。

血糖値が高いまま放置すると、大きな病気に

食後に血糖値がなかなか下がらない場合、「糖尿病」の疑いがあります。
通常であれば、食後に上がった血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。
しかし、糖尿病になると、インスリンが十分に分泌されない、もしくはインスリンが効果を発揮できないのです。

糖尿病になると次のような症状が現れるため、注意が必要です。

・喉が乾きやすくなる
・排尿の回数が増える
・疲れやすくなる
・体重が減る

インスリンの働きが弱くなり血糖値が下がらないまま放置すると、血管が詰まったり傷がつきます。
その結果、意識障害を起こす恐れがあるのです。
そして糖尿病の恐ろしいのは『糖尿病の合併症』を引き起こす点です。
では、つぎに血糖値を下げる食事についてお話していきます。

血糖値を下げる食事方法は?


血糖値を下げる、もしくは急上昇させないためには、普段の食生活がとても大切になります。
血糖値の上昇を抑えられる食事の選び方やポイントについて、くわしくお話していきます。

血糖値の上昇を抑えられる食事の選び方

血糖値の上昇を抑える食事のポイントはズバリ『低GI食品』『食物繊維』です。
GIとは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後に血糖値がどれだけ上がるかを示した数値のことです。

GIが高いほど血糖値が上がりやすく、低ければ血糖値の上昇を抑えられることを表しています。
ブドウ糖のGI値を100として、GIは以下が目安です。

・70以上:高GI食品
・56~69:中GI食品
・55以下:低GI食品

高GIの代表といえば、食パン、白米、うどんなどです。
一方、低GI食品には全粒粉パン、玄米、オートミールなどがあります。

また、食物繊維の豊富な食材も血糖値の上昇を抑えます。
野菜や炭水化物に含まれている食物繊維は、消化・吸収されない栄養素です。
ビタミンやミネラルのような働きはしませんが、腸内環境を整え、糖質や脂質の吸収を抑える働きがあります。
※これが、野菜から食べましょうといわれる理由です。

なので、具体的な方法としては、白米を玄米にしてサラダを多めにするなどで、血糖値の上昇を抑えられます。
特に朝食で食物繊維をとっておくと、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。
嬉しいことに、この作用は昼食後まで続きます。

例えば、昼食にサンドイッチや麺類などの糖質の多い炭水化物を食べたとしても、朝食で食物繊維をとっておけば、血糖値の急上昇が防げます。
この作用は『セカンドミール効果』と呼ばれています。
昼食後までの糖質をコントロールできるため『朝食で食物繊維を食べる』こんな対策はオススメです。
それ以外の工夫についてもお話します。

血糖値の上昇を抑える食事前のポイント

血糖値は主に食事後に上がります。
そこで食事前にこんな工夫がオススメです。

・砂糖たっぷりのジュースを飲まない
・間食はナッツ類を選ぶ
・無理のない食事量を用意する
・外食を避ける

血糖値の上昇を避けるために、砂糖が入ったジュースはやめてください。
清涼飲料水や砂糖入りのコーヒーなど、飲料は吸収されやすいので血糖値が上がりやすくなります。

間食をする際は、スナック菓子やスイーツなどの砂糖がたっぷり入ったお菓子ではなくナッツ類を。
忙しくて食事を準備できないときも、炭水化物が多いものなどは避けるべきです。
どうしても外食をするなら、玄米を使ったお弁当やお蕎麦など、低GIを意識しましょう。

食事は自分に必要な量だけを準備してください。
量が多いと炭水化物を摂取しすぎる可能性が高くなります。
では、つぎに食後の工夫についてです。

血糖値の上昇を抑える食後のポイント

血糖値は食後から上がり始めて、2時間ほどで元の状態に戻ります。
食後にこんな工夫をすることで、血糖値の上昇を抑えることにつながります。

・軽めの運動をする
・お風呂に入る
・質の良い睡眠をとる

食後1時間〜1時間半後に軽めの運動をすることで、血糖値を抑えられます。
また、食後30分〜1時間後の入浴は、血糖値の上昇を抑える効果があるというデータがあります。
そして質の高い睡眠は、血糖値の上昇を抑えるだけでなく、健康を維持するうえでも重要となります。

では、最後に具体的な食べ物や飲み物を紹介していきます。

血糖値を下げる食べ物・飲み物


血糖値を下げる食材に共通しているのは、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に入っていることです。
これらの栄養素は糖質の吸収を穏やかにし、血糖値を下げる効果が期待できます。
では、具体的にどんなものを意識すればいいのか?お話していきますね。

血糖値を下げる食べ物

血糖値を下げる食べ物には、このようなものがあります。

・玉ねぎ
・トマト
・オクラ
・緑黄色野菜
・豆類全般
・ナッツ類
・ダークチョコレート
・きのこ類

毎日の食材は、紹介したものを意識してみてください。
その分、炭水化物が含まれているご飯などの主食を少なめにすることで、血糖値の上昇を抑えられます。
また、間食はスナック菓子やスイーツなどは控えめにして、ナッツ類やダークチョコなどがおすすめです。

血糖値を下げる飲み物

血糖値を下げる飲み物は、砂糖が入っていないものを選ぶのが大切です。
飲み物は吸収が早いため、糖質が含まれているとすぐに血糖値が上がります。
血糖値を飲み物で下げる場合、食物繊維、カフェイン、カテキン、ポリフェノールが含まれているものを選びましょう。

具体的には、この2つです。

・お茶類
・コーヒー

砂糖が多く含まれているジュース類は避けて、上記の中から自分に合った飲み物を選ぶようにしましょう。
ただし、紅茶やコーヒーに砂糖を入れては意味がないので、無糖のものを選んでください。

あれこれお話しましたが、取り組みやすいものから、ぜひチャレンジしてみてください。