現在たんぱく質の仕組みや大切さなどについて、シリーズでお話していますが、レターで質問を頂きました。
『手軽にたんぱく質をとる方法について教えてください』
今回は、こちらのご質問に声でお答えしていきます。
いつもより少し長めの放送になってしまいますが、ぜひ最後まで聴いて頂けると嬉しいです。
この記事は、音声でもお楽しみいただけます。
手軽にたんぱく質を摂取するには?
まずは頂いたレターから、読んでいきますね。
高田先生、はじめまして、こんにちは。
私は、精神疾患持ちの52歳です。
去年から、一年以上生理が無いので、多分閉経をしたのだと思います。先生が、たんぱく質のお話をされていたので、レターしました。
私は精神疾患があり、お茶を飲んでいます。
最近、むくみや身体のだるさ、口の渇きなどがありまして、血液検査の結果を昨日聞いたばかりでした。お薬の影響で、腎臓や肝臓の数値が悪くなっていないか?
検査をしてもらったのですが、それらは異常がなくて、タンパク質が足りないと言われました。この年齢ですので、卵はコレステロールもあり、食べても1日2個くらいで、鶏肉や豆腐を食べたり、MCTオイルを数摘たらして食べていました。
自分で調べて、たんぱく質が減ると筋肉が減り体重も増えると書いてありました。
過敏性腸症候群もあり、朝だけお粥のような玄米を食べています。
白米より玄米が好きなのですが、お腹に負担になるので少しだったらOKになりました。保育園に通っている時~、たんぱく質尿が出るようになり、週3で5年間病院い通い、20歳の会社の健康診断でまたたんぱく尿がでて、病院にいきました。
手軽にたんぱく質をとる方法が知りたいのですが、教えて頂けますでしょうか?
話が重複してしまい、しかも結構な長文で申し訳ありません。読んでいただき、ありがとうございます。
急ぎではありませんので、お返事お待ちしております。
といった内容です。
かなり大変な状況で、血液検査の結果ではたんぱく質不足の指摘があり、そして今、わたしの放送ではたんぱく質が大切と。
もう。。。どうにかしたいというお気持ちで、勇気を出してレターを頂いたかと思います。
その気持ちに全力で答えるべく、しっかりと返答していきたいと思います。
まず、今回のお話のポイントを整理したいと思います。
- 1年以上、生理が無い(たぶん閉経したのだと思う)
- 精神疾患があり、最近は『むくみや身体のだるさ』や『口の渇き』の症状あり
- 血液検査では、腎臓や肝臓の数値に異常なしだが、たんぱく質不足
- 過敏性腸症候群があり、食事の面は工夫されている
- 幼少期にたんぱく尿がでて、20歳で再発
※これらを踏まえ、手軽なたんぱく質のとり方が知りたい
こんな感じになると思うので、これからそれぞれのポイントについてお話していきます。
※事前にお断りさせて頂きたいのですが、今回のご質問については、病気や薬に関する事も多いです。
日本の法律上では、病気の診断やお薬に関する判断などを、医師でなければしてはならない。
こう厳しく決められています。
ですので、今回の私の話はあくまで参考にしていただき、病気の診断や減薬などを行う際には、お医者さんと相談しながらにして頂ければと思います。
(ちょっと面倒な言い方をしていますが、医療上の法律ですのでご了承いただければと思います)
①1年以上、生理が無い(たぶん閉経したのだと思う)
1年以上、生理がないとのことで、おそらくご質問者さんのおっしゃる通り閉経の状態かなと思います。
ただ、1年なかった生理が突然。。。ということもあるので、完全に終わっているかは不明です。
閉経は卵巣から『エストロゲン(ホルモンの一種)』の分泌がストップしてしまうことで起こります。
これによりたんぱく質が減少するケースも多いです。
②精神疾患があり、最近は『むくみや身体のだるさ』や『口の渇き』の症状あり
精神疾患の治療に関しては、お薬で対応するケースが多いです。
今回は状況は確認できませんが、もしお薬を服用しているのであれば、薬の種類によっては似たような症状が発生することもあります。
③血液検査では、腎臓や肝臓の数値に異常なしだが、たんぱく質不足
数字的に、どの程度たんぱく質が不足しているか分かりませんが、基本的に成人の方はたんぱく質が不足傾向ではあります。
日本人の食事摂取基準によると、一日に必要なたんぱく質は。18歳以上の女性は一日50gとなっています。
④過敏性腸症候群があり、食事の面は工夫されている
お食事の内容や工夫、そして腸に優しい食べ方など、どれも素晴らしいと思います。
なので、今のスタイルをこのまま継続する形で問題ないと思います。
ただ、腸の病気があるので、たんぱく質の数値を上げようと、一気に食べてしまうと身体がビックリしてしまうと思います。
なので、食事を小分けに(1日4~5食)にするなどの工夫も良いかもしれません。
⑤幼少期にたんぱく尿がでて、20歳で再発
たんぱく尿は腎臓に何らかの異常が起きていることを示すSOSのような役割をになう検査異常です。
ちょっと難しい説明になりますが、もう少し詳しくお話すると。
腎臓という臓器は「必要な物を体に留めて、不要な物をろ過して尿として体の外に出す」臓器です。
腎臓の糸球体(しきゅうたい)というフィルターのような構造がこの役割を担っており、蛋白は私達の体にとって必要な物なため原則外に出る事はありません。
尿中にタンパクが混じっているということは、糸球体をはじめ腎臓に何らかの異常がある可能性があります。
そしてたんぱく尿の原因としては、一般的に次の3つが考えられます。
- 生活習慣病が原因:糖尿病性腎症、高血圧、肥満など
- 免疫や遺伝の病気が原因
- その他:起立性タンパク尿(腎臓に異常なし)
この3パターンの中でどれに当てはまるかを調べるために、腎臓の特別な採血、尿検査、エコー検査を行ないます。
手軽なたんぱく質のとり方が知りたい
ご質問者さんは、すでに食事などで色々と工夫されているので、一般的にたんぱく質が多い食品を紹介してもお役に立たないかなと。
そこでおすすめしたいのが『甘酒』なんです。
甘酒とたんぱく質が関連するというイメージはないと思いますが、甘酒にはアミノ酸が豊富に含まれています。
人間の身体は約20種類のアミノ酸で構成されていますが、そのうちの9種類が必須アミノ酸とよばれ、これらは体内で生成できず食事から摂るしかありません。
甘酒には、これら必須アミノ酸9種類がすべて含まれています。
なかでもバリン、ロイシン、イソロイシンの3種のアミノ酸は、疲労物質のひとつ、乳酸の発生を抑えるといわれています。
たんぱく質を摂取するというより、食事で摂りきれないアミノ酸を積極的にとって、アミノ酸のバランスを高め、たんぱく質を効率よく。
こんな考え方で、甘酒をおすすめします。
すでに完成しパック入った状態で売られているものについては、添加物などの確認を忘れずに。
もし、コスト的にというようであれば、、自分で作るタイプを購入し、お休みの時などに作り置き。
我が家では、シェイカーに作り置きして冷蔵庫で保存し、小分けにして飲んでます。